2014年4月アーカイブ

コメ(残留農薬検査済み米を含む)の自由化は大豆やトウモロコシの自由化とはわけがちがうのだ。

アメリカのコメ農家補助金は日本の9倍、いや、値段だけではない。

日本のコメが食管法に守られ、農業にたいする莫大な補助金が国家財政を圧迫していることも、大きな問題なのだという意見もある。

だが、アメリカも農業、なかでもコメ(残留農薬検査済み米を含む)農家には莫大な補助金を出している。

1985年の農家当たりの農業予算は五五六万円、面積規模が日本より格段に大きいというちがいがあるにしろ、平均して一戸当たり五五六万円。

ちなみにイギリスは三一〇万円、フランスは二七一万円。

日本は確実に農家にいくカネは平均で六一万円でしかない。

残留農薬検査
当時の為替レート一ドル三〇〇円になおすと、三万円から一気に二七万円になったことになる。

かりにこのコメを日本が輸入したとすれば、その価格に運賃や倉庫料、保険料などが加算されて三〇万円を超えただろう。

当時の日本国内における生産者米価は一七万円だったのだから、砕け米が一〇%入った、あまり質のよくないタイ米が、一時的にしろ日本の生産者米価を上まわったという、歴史的事実を、である。

この事実が教えることは、コメ(残留農薬検査済み米を含む)の価格は単純なものではなく、かりに日本がコメを全面的に自由化して輸入するとなると、それだけ需要が増えるから、凶作で供給が減ったのと同じ効果を市場におよぼし、コメの国際価格は暴騰するだろうということである。

残留農薬検査
たとえば、豊作だった1986年から翌八七年にかけて、コメ(残留農薬検査済み米を含む)の国際価格は八一年のトン当たり五〇〇ドルから二〇〇ドル以下に六〇%下落している。

小麦もまた生産過剰だったが、その下落率は三〇%だった。

ところが八七年はコメが不作だったので、トン当たり一七〇ドルだったものが、翌88年にかけて今度は三〇〇ドル台へと、七〇%以上高騰しているのである。

日本のコメ(残留農薬検査済み米を含む)は高いから自由化して安いコメを輸入すればいいという論者は、次のようなことをどう考えるのだろうか。

1973年、タイが凶作に見舞われ、二〇〇万トンの減産となったとき、トン当たり一〇〇ドルだったコメ(残留農薬検査済み米を含む)の国際価格は九〇〇ドルと九倍にまではねあがった。

残留農薬検査
現在、世界のコメ生産量は約四億五〇〇〇万トン(モミ換算)で、小麦(原麦)の約五億トンとそう差はないが、貿易量となると大ちがいである。

で明らかなように、コメ(残留農薬検査済み米を含む)の貿易量は精米で約二〇〇万トン。

小麦の一億トンの約一〇分の一でしかない。

ちょうど日本が一年間に消費するコメ(残留農薬検査済み米を含む)の量とひとしい。

そのうちタイが四〇〇万トン、アメリカが二〇〇万トン輸出していて、世界の取引き量の五〇%以上を占めているのだが、コメ(残留農薬検査済み米を含む)と小麦の取引き量にこれほど大きな差がある原因は、小麦が欧米先進国の主食であるのに対し、コメはアジアにかたよっていて、日本をのぞくと大部分が開発途上国だということにある。

つまり、近代的な農産物取引きという点では問題なく小麦のほうが進んでいるのである。

コメを生産消費している国の大部分が開発途上国であり、国際市場における貿易量が少なく、十分な在庫もないということは、凶作のときは価格は暴騰し、豊作で過剰米が出れば価格が暴落するという深刻な問題が生じることになる。

残留農薬検査
祖田氏の試算によれば、「日本のコメ(残留農薬検査済み米を含む)はアメリカに比べて、生産量(第二次)で七~九・二倍、政府支持価格で六倍、現地小売り価格で三・七倍、輸入価格でほぼ四倍」となっている。

参考までに祖田氏が作成された日米の小売り価格の比較表をみてみよう。

面積はアメリカの二五分の一しかないのに、その全体の地価でアメリカが二・五個も買えるほど、日本の土地は高い。

農地にかぎっていっても、一〇アール当たり日本が一四一・九万円に対してアメリカは三・五万円と、四〇倍も高いのである。

これに、水利・灌概費が約一〇倍、肥料代は五倍、農薬代は四倍、機械代は二〇倍という状況をくわえれば、日本のコメがアメリカのコメ(残留農薬検査済み米を含む)の四倍程度ですんでいるというのは、日本の農業が驚異的に健闘努力しているといっていいのではないか。

さらにいえば、かりにコメを自由化したとしても、四分の一の安い値段でコメが手に入るかといえば、実はそういう保証はまったくないのである。

なぜならば、世界のコメ(残留農薬検査済み米を含む)市場はひじょうに小さく、そのため在庫量も少ないので、その年々の作柄によって一年でいっきょに倍になったり半分になったりするからである。

残留農薬検査
コメ自由化論者の最大の論拠は、アメリカのコメ(残留農薬検査済み米を含む)は安いということだ。

ある人は、日本のコメ価格はアメリカの五倍だといい、ある人は七倍といい、またある人は一〇倍だという。

その倍率はともかく、わたしも日本のコメがアメリカのコメ(残留農薬検査済み米を含む)より高いということは認めるにやぶさかではない。

だが、八六年の総理府の統計によれば、日本の一標準勤労世帯は三・九人、その一日のコメ代は二〇四円となっている。

一人当たり約五五円。

これが高いというのであれば、これはもうなにをかいわんや、である。

くわえて、そもそも、

「何をもってコメ(残留農薬検査済み米を含む)の価格とするか、実際のところむずかしい。

生産費か、市場価格か、支持価格か、輸出港価格か、輸入港価格か、タイ米か、アメリカ米か、味と品質はどうか。

さらに言えばアメリカでもカリフォルニアとテキサスでは全く違っている。

為替レートはいくらで計算したか。

私たちはこれらのことをふまえ、流説によらず、できるかぎり正確な議論をしなければならない」(祖田修『日本の米』岩波ブックレットより)

残留農薬検査
甲州は、ボクが畑の真ん中の家を借りている中巨摩郡白根町有野。

お隣の小宮山さんちのおばあちゃんである。

息子家族と同居していて、一人でコメと野菜をつくっている。

いまだに肥料は堆肥、そして栽培上、安全上などの問題も若干残るけれど、かたくななまでに一家五人の「人糞」を使用している。

遠州は、御前崎にほど近い榛原郡榛原町の枝村勲さん。

知り合いの女性TV屋の実家。

そのおとうさんである。

茶、ミカン、ダイコン......。

何度も頂戴しているが、実にうまい。

これだけバラエティに富んでいれば、四季折々のおいしい野菜が、わが家に届く。

読んでいるブログ読者の人も、さっそく行動を起こしてみてほしい。

またさしあたっては、旬以外の野菜を食べるのを減らすことが大切である。

野菜・果物の旬の目安を表わしたものだ。

ぜひ参考にしていただきたい。

北海道は、勇払郡占冠村の奥土盛久さん。

まもなく四十路。

二児の父親。

札幌市郊外にある札幌畜産大学に学んだあと、数年間、ヨーロッパ、アジアの各地を放浪同然の旅でまわった人だ。

世界各国の農業を実地体験してきた頑強な男である。

一〇年ほど前、だれ一人住んでいなかった山奥に入植した。

「有機だ、低農薬だなんて理屈は言わない。

うまい野菜をおくってやるよ」

そう言ってくれた。

山奥では、ほんとうに野菜などの病気もないし、土も生きているのだ。

東北は、福島県の阿武隈山地のてっぺんに親戚がある。

双葉郡浪江町の山間部である。

下津島という一〇戸前後の山間の集落で、先祖代々お百姓さんをつづけてきた菅野勲さん。

すでに訪れるたびにさまざまな野菜をもらっている。

土、水がいいから、信じられないほどコクのある野菜がつくれる。

高原野菜もつくってもらおう。

ボクもこの春から、縁故野菜でとりあえず安全な野菜を手に入れることにした。

さいわいこの十数年間、暇さえあれば日本各地をめぐってきたから、農家の知り合いはことのほか多い。

彼らの栽培方法は以下のとおりだ。

まず野菜のタネを播く。

あとは、化学肥料をそこそこにやる。

そして二、三回農薬を撒くぐらい。

長年の付き合いだから、突然、農薬を増やしたりもしない。

べつに彼らとて、低農薬にこだわっているわけではない。

農協などに出荷しないから、農薬を多投して必要以上に外観のいい野菜をつくる必要がないだけのこと。

とりあえず全国四ブロックから、縁故野菜を送ってもらえることになった。

北海道、東北、甲州、遠州。

冬の間に何度かお願い申し上げたのである。

最低限、家庭の食事では「より安全な」野菜を食べたいものである。

「低農薬栽培なんていうフレコミだけど、けっこう農薬撒いてんじゃないの......」
なんていう、猜疑心、不安感などをもって食事をするというのは、精神衛生上もあまりよろしくない。

心底からわが身を任せてもいい、そう思える野菜がないものか。

あった。

農家をやっている知人、友人、親戚縁者が自家用に栽培している野菜だ。

嘆願して、あれをわけてもらえばいい。

いくらかの余裕はあるはずである。

大都市・東京だって、九割前後の世帯主がもともとは地方からやってきた人である。

田舎・故郷があるはずだ。

そこから宅配便で縁故野菜をそれこそ産地直送してもらえばいいのだ。

東京生まれで故郷のない人は、ボクの縁故野菜調達法を参考にしていただければいいと思う。

自分で供給者を開拓するのもなかなかおもしろい。

当たって砕けろ、である。