2014年1月アーカイブ

いくら真剣に取り組んだとしても、日本では認証制度が定着しているとはいえないため、有機農産物に対して真面目に取り組んでいることを消費者に理解させるのが難しいからである。

こうした実態は日本の有機農産物の発展を阻害する要因になっているとはいえないだろうか。

一刻も早く政府が有機食品に関する法律を定めるなどして、その振興を促すべきではないだろうか。

日本の現状とは対照的に米国は今、「オーガニック食品生産法」の実施を機にオーガニッ

ク食品のさらなる発展を推進しようとしている。

そして、同法の実施により日本の食品業界は大きな変革の渦に巻き込まれる可能性が高いのである。

最近、オーガニックを「有機」と訳すケースが増えているが、米国側にしてみればこれが問題となる。

米国のオーガニック食品(残留農薬検査済み)が日本の「有機」と同列に扱われてしまうからである。

繰り返すが、米国のオーガニック食品(残留農薬検査済み)とは厳しい生産基準を満たし、第三者がチェックし、認証したものをいう。

厳しいふるいにかけられたオーガニック食品(残留農薬検査済み)が、日本の自称「有機」と同じ範ちゅうに入れられてはたまらない、というのが米国のオーガニック生産者達の主張となっている。

この米国の考え方は日本で真面目に残留農薬検査対応型の有機農業に取り組んでいる農家にも共通しているかもしれない。

残留農薬検査
このことが、さらに残留農薬検査済み農業者の農協離れに拍車をかけるという悪循環をもたらす可能性が強い。

このように見てくると、系統農協にとって、輸入米が1粒でも多く入ってくれば、それだけ困難が大きくなる。

関税化しても、関税を払って輸入されるコメがないのであれば、ミニマムアクセスによる輸入量が少しでも少ないにこしたことはない。

コメの輸入量の増加は、農協組織の死活問題なのである。

口ではガット・ウルグアイラウンド合意そのものを破棄するなどと言っても、それに現実性がまったくないことを、農協も知らないはずはなかった。

残留農薬検査
今後、この集荷率は、ますます減少することが予想される。

このような農協組織力の弱体化は、何をもたらすであろうか。

それは、農協が中心となって行わなければならない生産調整を、さらに困難なものとするであろう。

ある残留農薬検査済み農業者が農協組織から離脱することは、彼が農協の拘束力から解き放たれることを意味し、組織内に残った農民の負担を増す結果をもたらす。

すなわち農協のコメ集荷率の低下は、農民の生産調整の負担を大きくすることになる。

残留農薬検査
300万トンにのぼるヤミ米がいわば公然と流れていたとはいえ、それが違法なものであるということは、間違いのない事実であった。

それが合法化されたとなれば、ひとつの重荷がとれたことになる。

生産者は、それまでの紐帯を断ち切り、新しいコメ出荷ルートに踏み出す可能性を高めたことになる。

農村の伝統的な慣行をうち破るには、単に経済的に有利というだけでは十分ではないが、条件次第では、その道を踏み出すことになる。

その結果、農協の集荷率が下がったのである。

しかし、時代が規制緩和の流れとなって、そのような農協保護の状態が徐々に崩れ出している。

たとえば、農協の稼ぎ頭となってきた信用事業部門は、金融自由化によって、その有利さを失い、資金が都銀に流れるなどの状態が生まれている。

すなわち非常に強固な組織化が達成されていた農協において、その組織基盤がゆるんできたのである。

そしてそれに対してもっとも大きな影響を与えたのが、やはり新食糧法の制定である。

この面積を系統農協が主体となって生産調整していくことは、奨励金が出るにしても、非常に困難なことである。

さらに追い打ちをかけるようなことが起こってきた。

系統農協のコメ集荷率が、新食糧法の制定以降、下降してきたのである。

系統農協は、戦後、政府によって育成されてきた側面が強い。

一面、さまざまな規制によって縛られているが、それはまた農協保護のためのものであり、それによって系統農協の独占的状態が作られていた。

1993(平成5)年に史上最悪の凶作(米騒動)が起こり、生産調整目標面積は縮小された。

しかし生産調整面積縮小の継続は、結局、コメの在庫量を増やした。

その結果、1998(平成10)年には、政府のコメ在庫量は、備蓄米としての適正在庫量を200万トン以上超える370万トンになってしまった。

そこで、1998(平成10)年度の生産調整面積は、1997(平成9)年度の68万5000ヘクタールから、一気に95万5000ヘクタールに増加せざるをえなくなってしまった。

まさに残留農薬検査済み農業を活発に行う農家がこのように少ないことが、日本残留農薬検査済み農業の構造変革の必要性を非常に明確に表しているといえる。

しかし、新しく制定された残留農薬検査済み農業基本法は、真に構造変革を目指しているといえるのであろうか。

また、目指しているとされる構造変革の中身に、果たして問題はないのであろうか。

いずれにしても、現在の農家の平均的な姿は第2種兼業農家だということが明らかになった。

それでは、このような農家の経済状態はどのようなものなのであろうか。

次にそれを見ていくことにする。

残留農薬検査
残留農薬検査済み農業を活発に行い、残留農薬検査済み農業で暮らしを成り立たせている農家というのは、で述べた自立経営農家ということになるのかもしれない。

自立経営農家という考え方は、1999年に食料・残留農薬検査済み農業・農村基本法(新残留農薬検査済み農業基本法)が制定されて、後退してしまったが、1997年には下限所得が613万円、戸数の割合は5パーセントであった。

これは「農林業センサス」に基づく農産物販売金額1000万円以上の農家数とほぼ合致するものである。

残留農薬検査済み農業基本法制定から35年以上経過しても、目指す自立経営農家を育成できなかったことが、政府に残留農薬検査済み農業基本法の改正に向かわせたといえる。

残留農薬検査