2014年2月アーカイブ

野菜に多く含まれていて、健康の代名詞であるようなビタミンCとて、発ガンを促進させる作用がある。

名古屋市立大学医学部で、少量の発ガン物質と、総量の五パーセントほどという大量のビタミンCをラットに与えたところ、ビタミンCが発ガン促進物質でもあることが明らかになった。

さらには、東京都の井戸水の半数以上が、発ガン性のある物質で汚染されているという報告もある。

東京都が実施した「六二年度、地下水汚染調査」によると、調査の対象となった都内九〇本の井戸のうち、半数を超える井戸から、発ガン性が指摘されている、機械の洗浄やドライクリー二ングなどで使われる有機塩素化合物が、基準値以上検出されたのだ。

そうした野菜・果物は大量の農薬が散布されてはじめて生産可能になっている、という事実を、大多数の人々はすっかりと忘れてしまっている。

「緑黄色野菜をたくさん食べると、カラダにいいんだ!」などと、野菜さえ食べていれば健康が維持できるといった錯覚さえ、多くの主婦たちの間にはびこってしまっているのだ。

とんでもない間違いである。

野菜だけが危険物質とは無縁、という考え方は成り立たない。

たとえば、「発ガン物質」ひとつをとってみても、最新の検査施設で詳しい検査をしていくと、あとからあとから新しいものが発見されてくるのである。

追いかけっこなのだ。

ボクたちの暮らしぶりも豹変した。

そして気がつくと、命の根源である食料の供給、食生活さえもがおびただしく危険性の高い物質によってはじめて成り立っていた。

食品添加物、残留農薬、公害物質による食品汚染......。

特に日本での、ここ数年のグルメ・ブーム。

なんでもかんでも、変わったもの、めずらしいもの、希少価値のあるものを材料にした「食」がもてはやされている。

また旬以外の季節にいつでも手に入る野菜・果物など、こうした素材を大量に生産する技術も向上してきている。

しかも、九三年の三九四億一三〇〇万ドルに比べ一八・四%増となっており、ここ数年の間で最も高い伸び率を示している。

その内訳は、肉類で七七億七四〇〇万ドル、穀物とその調整品で六三億六〇七三万ドル、果実及び野菜が六〇億四二二五万ドルとなっており、特に穀物その他調整品、果実及び野菜などの農産物の輸入が活発である。

農産物の中では生鮮野菜の伸びが特に高まっている。

生鮮または冷蔵のタマネギで前年比二二八・一%増、マツタケが五〇・六%増、アスパラガスが二六・○%増と、野菜分野の伸びを押し上げている。

ちなみに先進各国との比較が可能なOECD(経済協力開発機構)の八八年のデータで見ると、日本の食料自給率は四九%なのに対し、フランス一四三%、米国一=二%、イギリス七三%、旧西ドイツ九四%、スイス六五%、スウェーデン八六%、カナダ一四二%、豪州二五一%となっており、日本の食料自給率の低さは歴然としている。

特に、この二~三年は円高を背景に、食料品の輸入が増加の一途をたどっている。

「通商白書(各論)平成七年版」によると、九四年の食料品輸入額は四六六億五二〇〇万ドルで、これは世界最大の規模である。

日本は世界の先進国の中でも群を抜いて食料自給率の低い輸入農産物大国である。

食料自給率とは、食料需要に対し、国内生産で賄える比率をいい、大きく①品目別・類別自給率②総合自給率(卸売金額ベース)③供給熱量自給率④オリジナル・カロリー自給率という四つの指標がある。

このうち一般的な③の供給熱量自給率で見た場合、九四年の日本の食料自給率は四六%であり、これは、先進国と比べてみても最低の水準にあると見られる。

こうした事態になった場合、想定されるのは米国へのオーガニック食品(残留農薬検査済み)輸出を目指す国々が、米国の「オーガニック食品生産法」と同様の基準を作る方向に動くのではないだろうか、ということである。

同様の基準ができれば、米国側も手間をかけて検査官を輸入先の国に派遣する必要がなくなり、オーガニック食品(残留農薬検査済み)の認証業務を他国へ任せることが可能になる。

この結果、同様の基準を持つ国であれば、他国の認証オーガニック食品(残留農薬検査済み)をそのまま認める、といった国際的な取り決めを定めることは十分あり得る。

こうして他国が米国に歩み寄る形で、米国の「オーガニック食品生産法」が、世界的な広がりを持つ基準となる可能性がある。

残留農薬検査
こうした構図の中で、米国内でオーガニック食品(残留農薬検査済み)の需要が一層促進されると、米国への輸出に依存する国々でもオーガニック食品(残留農薬検査済み)の生産に拍車がかかると思われる。

その場合、そうした国々ではどのような対応を迫られるだろうか。

同法が実施されると、米国へ輸出を目指す国の業者などは自国に米国から検査官を派遣してもらい、認証を受けるという手順になると見られるが、認証にかかる手間とコストは、オーガニック食品(残留農薬検査済み)の生産が増えれば増えるほど莫大なものとなろう。

残留農薬検査
例えば、中南米諸国は主にコーヒーや紅茶を、豪州、ニュージーランドは主に牛肉を米国に輸出しているほか、中国は主に米国向けの野菜の輸出に力を入れ始めているのである。

このように米国を「お得意様」とする国が多数存在するのである。

しかも、これらの国では既にオーガニック食品(残留農薬検査済み)を生産しているところも多いのである。

例えば、中国では九五年四月に米国の主要民間認証団体、OCIAのオーガニック食品(残留農薬検査済み)基準をもとに中国版「オーガニック食品生産法」を施行させる一方、南京に「オーガニック食品開発センター」を作り、対米、対日輸出を視野に入れたオーガニック食品(残留農薬検査済み)の開発・研究を始めているのである。

残留農薬検査
肥料・飼料業界、包装資材業界、輸送・倉庫業界は既存の企業がその対応策を迫られると同時に、異業種の企業が、参入してくる可能性が高いのである。

そうした変化をビジネスチャンスと捉え、新規に米国基準か世界的に広がる同法が施行されると、その影響は国内のみならず、他の国々にも波及していく可能性はかなり高い。

米国は農対応型の畜産物や加工食品を自国で大量に生産している一方で、食品を外国からの輸入に頼っている面もある。