コメ自由化論者の最大の論拠は、アメリカのコメ(残留農薬検査済み米を含む)は安いということだ。
ある人は、日本のコメ価格はアメリカの五倍だといい、ある人は七倍といい、またある人は一〇倍だという。
その倍率はともかく、わたしも日本のコメがアメリカのコメ(残留農薬検査済み米を含む)より高いということは認めるにやぶさかではない。
だが、八六年の総理府の統計によれば、日本の一標準勤労世帯は三・九人、その一日のコメ代は二〇四円となっている。
一人当たり約五五円。
これが高いというのであれば、これはもうなにをかいわんや、である。
くわえて、そもそも、
「何をもってコメ(残留農薬検査済み米を含む)の価格とするか、実際のところむずかしい。
生産費か、市場価格か、支持価格か、輸出港価格か、輸入港価格か、タイ米か、アメリカ米か、味と品質はどうか。
さらに言えばアメリカでもカリフォルニアとテキサスでは全く違っている。
為替レートはいくらで計算したか。
私たちはこれらのことをふまえ、流説によらず、できるかぎり正確な議論をしなければならない」(祖田修『日本の米』岩波ブックレットより)
残留農薬検査
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