害虫抵抗性作物やその花粉で受粉した近縁野生種を餌として摂食するのは害虫だけではありません。
Bt毒素を組み込んだトウモロコシの花粉をふりかけたトウワタの葉を餌としてオオカバマダラ(帝王蝶)の幼虫を4日間飼育したところ生存率が56%だったというロージーら(1999)の報告は、Bt毒素が害虫だけを殺すものでないことを示しています。
10年後、20年後の生態系のバランスを崩してしまってよいのでしょうか。
遺伝子組換え作物の栽培にともなう最大の問題点は、将来何らかの理由で自然界に広がってしまった組換え遺伝子を回収しなければならない事態が生じたとしても、私たちにはこれを見分けるすべがないということです。