天然の農薬

83年に、天然化学物質に関する試験データを発表する少し前あたりから、エイムズ博士は考え方を変えたこともあり、エイムズ博士に対しては、「企業の御用学者に変節したのか」という抗議の声も起こった。

学者の間からは、「考えられる発ガン危険性のランキング作成の基準が適切ではなく、不正確だ」との声も出ている。

これらの議論は、一年や二年では、とても決着がつくようなものではない。

興味のある方は、是非注目していてもらいたいが、誌上討論はきわめて専門的で適当な翻訳がないのが残念なところだ。

エイムズ博士は、論争の中で、「人間が摂取する植物中の発ガン物質のうち、天然化学物質の割合が極めて高い」と指摘している。

それらを、昆虫や菌類などの病害虫から身を守ため、植物自身が生産した「天然の農薬」であると表現している。