不況期に新製品開発や新規事業への進出を見送るのはメーカーではオーソドックスな経営手法だが、外食産業にもこの手法を取り入れた。
バブル崩壊後、ライバルのすかいらーくが低価格店「ガスト」を、ロイヤルがサラダバーが売り物の「シズラー」など新業態店を次々に出店した。
一方、デニーズは既存店のブラッシュアップに経営資源を集中し、シェア確保に万全を期した。
九六年2月期は、総額一二億円をかけ、全店舗四80店のうち半数近くの二二一店でじゅうたんを交換し、壁紙を張り替え、内装中心に改装した。
経営のもう一つの特徴は八八年から続く無借金経営だ。
対外的に高い信用を得るだけでなく、ディスインフレで自己資金の価値が高まる時代には、競争力で一段と優位に立てる。
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