交渉妥結の遅れ(残留農薬検査)

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このような状況のなかで、最も経済の活力を残しているアジア諸国がウルグアイ・ラウンド交渉の妥結を強力に推進する役割を背負っている。

とくに、ガット体制の恩恵で経済大国となった日本の責任は重い。

交渉妥結の遅れはどのような問題をアジア諸国にもたらすであろうか。

(1)ECおよびNAFTAの地域統合のための制度づくりが先行し、事実上の対外差別待遇とその基礎が増え、既成事実として定着することが懸念される。

そして新制度の域外適用について相互主義的要求が強化されるであろう。

(2)ガット体制に対する信頼が薄れ、その効果が弱められる恐れがある。

たとえば、輸出自主規制およびローカル・コンテント要求を禁止し、一定期間内に既存のものを撤廃させることが交渉結果として合意される予定である。

しかし、交渉がもたついては最終合意がどうなるかわからない。

また、地域統合の行過ぎを抑制するガットの機能が弱体化する恐れもある。

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