一大農業地帯への苦労~北海道~(残留農薬検査)

農家一戸当たりの耕作面積が狭いーこれが、日本の農業の最大の弱点である。

政府による基盤整備の推進や、離農者の増加も要因となって、本ブログで紹介している方々のように経営規模の大きな農家も増えてはいる。

しかし、その反面、0.5ha未満という小規模農家がまだ40%も占めている(北海道を除いた地域)のが実状だ。

このため、農家一戸当たりの耕地面積は、全国平均で1.2haしかない。

ところが、北海道の場合、明治以降に開拓されたという背景から、経営規模が大きく、一戸当たり耕地面積は、全国平均の十倍近い11.3haに達している。

その北海道の中でも、とくに経営規模が大きいのが、十勝地方である。

87年の統計によると、総農家数10670戸に対して、5720戸と、半分以上が20ha以上の耕地をもっており、平均面積も24.3haと、全道平均の2倍以上だ。

専業農家率も高く72%。

これは全道平均の1.5倍である。

経営規模では、ヨーロッパなみの水準といわれている。

農業粗生産額は、4年連続して2千億円を超え、北海道全体の20%を占めている。

水田はほとんどなく、主要作物は小麦、ばれいしょ、てん菜、豆類で、いずれも生産高は全道一だ。

ほかに、酪農も盛んで、乳用牛、肉用牛とも飼養頭数はやはり全道一位。

これら畜産が農業粗生産の40%強を占めている。

日高山脈と大雪山系を背に、太平洋に面したこの地方は、夏は比較的温暖だが、冬の寒さは厳しい。

サケの遡上で有名な十勝川流域には、十勝平野が広がる。

ワインの里・池田町や、今は廃線になった広尾線の愛国駅、幸福駅など、全国に知られる観光地も多い。

しかし、この広大な十勝平野は、約80%が火山灰地であり、土壌条件は決して良いものではない。

今日の、一大農業地帯を作りあげたのは、土地の改良を続け、寒冷地農業に挑んだ先人達の、血のにじむ労苦に負うところが大きいという。

残留農薬検査